東京高等裁判所 昭和27年(う)488号 判決
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(判旨)
消防が火災を予防し、警戒し及び鎭圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の增進に資することを目的とするものであること及び市町村の消防団員が上司の指揮監督に服すべきことは消防法又は消防組織法の規定に徴して明らかであるが、経験の有無にかかわらず、法令に定められた運転の資格を持たないで消防用四輪自動車を運転することは道路交通取締法第七条第一項第二項第二号の禁ずるところであり、消防法等によつても斯樣な応急措置は許されていないのであるから、被告人の上司である居村消防団の副団長が被告人に対し、原判示自動車を甲所から居村まで運転して来るように命じたことは、たとえ、副団長が黑煙の立ち昇るのを見て火災が発生したものと判断し、且つ正規の運転手が不在のため、軍隊当時運転の経験を持つていた被告人に右の運転を命じたのであつたとしても、違法の措置というの外はなく、斯樣な違法の上司の命令に対しては、部下である被告人として、これに服従しなければならないわけではないのであつて、被告人がこれに服従したことは法令又は正当の業務に因つてなした行為には当らない。